CPUは大体1年スパンで世代が変わります。
そんなに頻繁に世代が変わってて、
ほんとに性能が上がってるんですか!?
皆様こんにちは、歳を重ねる度に脳の性能が落ちるがちゃこです。
CPUは大体1年に1回新しい製品が発表されますが、
そんなに頻繁に新しい物が出てほんとに性能あがってるの?
どれだけ高性能になるの?
何パーセントくらい性能向上するもんなの?
と思う方もおらっしゃると思うのです。
というわけで今回の記事は、
『ベンチマークスコアから見るCPUの世代間性能差とその要因』
と題しまして、
- 結論
- ベンチスコア3種比較 各世代一般向けハイエンドCPU
- グラフはわかったから、結局伸びはどうなの?
- 何故世代でこんなにばらつくのか?
辺りをまとめていきます。
では、
レディゴッ!
※本記事に使用しているベンチスコアはこちらのサイトを参考にしてます。
サイトの性質上、複数のスコアをサンプルとし、平均値を当該CPUのベンチスコアとして記載しています。
目次
結論:CPUの性能は世代が変わると上がる時はすごい上がる
具体的なデータは後に記載するとして、結論としては
CPUの性能は世代を超えると、
- 4.9%微増する事もあれば、
- 42.6%激増する事もある
です。
特に最近の12世代や13世代は極端にスコアが伸びています。
何故こんな事が起こるのかといえば、
超単純に言ってしまえば
- 大人の事情
- 競合の有無
です。
以下でまとめたデータを元に比較していきます。
ベンチスコア2種比較 各世代一般向け歴代ハイエンドCPU
比較したのはIntelCoreシリーズの第1世代から第13世代までの一般向けハイエンドCPUです。
発表日 | CPU | ソケット | Typical TDP | コア/スレッド/動作クロック | マイクロ アーキテクチャ | 開発ネーム | プロセス ルール | |
2022年10月 | Core i9-13900KS | LGA1700 | 150 | 24C32T 3.2-6GHz | Raptor Cove | Gracemont | Raptor Lake | 10 (Intel7Ultra) |
2021年10月 | Core i9-12900KS | LGA1700 | 150 | 16C24T 3.4-5.5GHz | Golden Cove | Gracemont | Alder Lake | 10 (Intel7) |
2021年3月 | Core i9-11900K | LGA1200 | 125 | 8C16T 3.5-5.3GHz | Cypress Cove | Rocket Lake | 14++ | |
2020年4月 | Core i9-10900K | LGA1200 | 125 | 10C20T 3.7-5.3GHz | Skylake | Comet Lake | 14++ | |
2018年10月 | Core i9-9900KS | LGA1151v2 | 127 | 8C16T 4-5GHz | Skylake | Coffee Lake-R | 14++ | |
2017年9月 | Core i7-8086K | LGA1151v2 | 95 | 6C12T 4-5GHz | Skylake | Coffee Lake | 14++ | |
2016年8月 | Core i7-7700K | LGA1151 | 95 | 4C8T 4.2-4.5GHz | Skylake | Kaby Lake | 14+ | |
2015年8月 | Core i7-6700K | LGA1151 | 95 | 4C8T 4-4.2GHz | Skylake | Skylake | 14 | |
2015年6月 | Core i7-5775C | LGA1150 | 65 | 4C8T 3 – 3.7GHz | Broadwell | Broadwell | 14 | |
2013年6月 | Core i7-4790K | LGA1150 | 88 | 4C8T 4-4.4GHz | Haswell | Haswell | 22 | |
2012年4月 | Core i7-3770K | LGA1155 | 77 | 4C8T 3.5-3.9GHz | Ivy Bridge | Ivy Bridge | 22 | |
2011年1月 | Core i7-2700K | LGA1155 | 95 | 4C8T 3.5-3.9GHz | Sandy Bridge | Sandy Bridge | 32 | |
2008年11月? | Core i7-880 | LGA1156 | 95 | 4C8T 3.06-3.73GHz | Nehalem | Lynnfield | 32 |
考察に利用したベンチマークソフトは
- PassMark:CPUの総合(マルチ)性能計測ソフト
- ChineBenchR23マルチ:CPUの総合性能計測ソフト
- ChineBenchR23シングル:CPUのシングル性能計測ソフト
です。
Geekbenchとか他のも見たんですが、グラフにするのがだrあんまり長くても読むのが嫌になっちゃうかなって思ったし、それに、傾向を見る分には充分かなと思うので、今回はこれで比較していきます。
PassMark
- 1世代→2世代、第7世代→第8世代、11世代→12世代で30%以上のスコアの伸び。
- 6世代→7世代と10世代→11世代にて10%以下の伸び。
ChineBenchR23 マルチ
※第1世代から第3世代は測定データが無かったため
別のベンチソフトからR23に移動する時に変化する値のサンプルを20程集め
倍率の平均を取って計算した値になります。
正確な値ではないのでフンワリと見てもらえればと思います。
- 第7世代→第8世代、第11世代→第12世代、第12世代→第13世代において30%以上の伸び
- 第6世代→第7世代、第10世代→第11世代において10%以下の伸び
第10世代→第11世代に関しては場合によってはスコアが逆転します。
ChineBenchR23 シングル
※第1世代から第3世代と第5世代は測定データが無かったため
別のベンチソフトからR23に移動する時に変化する値のサンプルを20程集め
倍率の平均を取って計算した値になります。
正確な値ではないのでフンワリと見てもらえればと思います。
- 第10世代→第11世代、第11世代→第12世代で15%以上の伸び
- 第8世代→第9世代、第9世代→第10世代で5%以下の伸び
世代間の伸びはどうなのか?
冒頭で述べたように、CPUの性能は世代が変わるごとに伸びてはいくものの、伸び率は多かったり少なかったりするという結果でした。(上の画像の単位は%です。)
性能が伸びた世代
マルチ性能
- 第2世代:約45%↑
- 第8世代:約35%↑
- 第12世代:約41%↑
シングル性能
- 第11世代:18%↑(謎)
- 第12世代:19%↑
性能が伸び悩んだ世代
マルチ性能
- 第7世代:約7%↑
- 第11世代:約5%↑
シングル性能
- 第9世代:0.9%↑
- 第10世代:3.5%↑
注:ただし、第11世代のシングル性能に関しては、シングル性能が影響するゲーム性能においてシングル性能18%向上による恩恵がほとんどなく、逆にマルチ性能が影響するエンコード処理等ではマルチスコア以上の効果が出るといった感じで、ベンチマークのスコアだけを鵜呑みにしちゃダメだよといういい薬になったとかならなかったとか。
何故CPUの性能差が世代によってこんなにばらつくのか?
性能差の原因としては、プロセスルールの差や使用されているアーキテクチャの違いや詰め込んであるコア数の違いだとか色々あると思いますが、一番大きな要因をめっちゃ単純に言っちゃえば
競合の有無と大人の事情かと思います。
競合の有無と大人の事情
IntelにはAMDという競合(ライバル)企業がいます。
これまでのCPUの歴史を見ても、AMDが落ち目になるとIntelCPUの進化が遅くなり、AMDいい製品を出して頑張ると少し遅れてIntelCPUが急激に成長する流れがあります。
Coreシリーズが始まってからの話だと、
- Intel、Coreシリーズを出してからというもの第7世代まで競合なしの殿様
- AMDから2017年2月に突然Zenシリーズ(Ryzen)というCPUが発表される
- Intelは第7世代から第8世代に移行するタイミング
- AMDは2017年8月ウルトラハイエンドの「Ryzen ThreadRipper1950X」を発表
- IntelどうやらZenはすごいらしいことを知り頑張り始める
- Intel、対抗して2017年10月にウルトラハイエンドの「Core i9-7980XE」を出す
- AMDがZen+で「ThreadRipper2990WX」発表(7980XEを超えたとかなんとか)
- AMD、一般向けCPUでもIntelに迫る
- Intel、コアを詰め込めば性能上がるでしょという事でシングル性能据え置きで第8,9世代マルチ性能向上
- AMD、Zen2Zen3とえらい成長する
- Intel頑張る、しかしプロレスルール14nmの壁が壊せず11世代までシングル性能がなかなか上げられない
- Intel、12世代で10nmに加えPコアEコア導入によりシングル性能マルチ性能共にすごい上がる
- AMD、Zen4でIntelを超えるとか並ぶとか
- Intel、13世代でAMDを超えるとか並ぶとか
詳しい所は間違ってるかもしれませんが、大体こんな流れと思います。
早い話が、
競争相手がいたら本気出す。
という感じです。
11世代でシングル性能が上がってるのは正直よくわからないです。
マイクロアーキテクチャのCypressCoveとやらが影響しているのでしょうか?
分かったら追記したいと思います。
以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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