グラフィックボードの支え
グラフィックサポートステーって
本当は必要なの?
皆様こんにちは、周囲のサポート無しでは生きていけない自信があるがちゃこです。
グラフィックボードが下から支えられているパソコンを見た事がありますでしょうか?
このグラフィックボードを支えているPCパーツをグラフィックボードサポートパーツとか呼びます。
他にもVGAサポーターとかビデオカードサポートステーとか色んな呼び方がありますが、
要はグラボを支える物です。
私はちょっと前までドルチェアンドガッバーナの香水のビン(中身入り)を使っていました。
で、
これってほんとに必要なの?
見た目だけじゃないの?
と思う方もおらっしゃると思うので、
今回の記事では、
『グラフィックボードにサポート(支え)は本当に必要なのか?』
と題しまして、
- 結論:あった方が良いし、物によっては本当に必須
- サポートが必要な理由
- サポートが必要になるグラボの目安
- グラフィックボードサポートステーの入手方法
- グラフィックボードサポートステーの形状2種類
- サポートステーを使わずマザーボードも守る方法
といった所をまとめていきます。
では、
レディゴッ!
目次
グラフィックボードサポートステーの必要性
結論:物によっては必須
まず結論ですが、サポートステーはあった方が良いし、グラフィックボードの長さや重量によっては必須になります。
必要な理由を1行でまとめるなら、
『マザーボードを守る為』
といった感じです。
どういう事か順を追って紹介していきます。
グラフィックボードサポートステーが必要な理由
この項に書いてある理由を要約すると、
- グラボが重くてたわみ
- 挿し込み口に負荷がかかり
- マザボが壊れるから
- 破損を防ぐ為にもサポートステーは必要
といった流れになります。
以下で詳しく見ていきましょう。
理由①最近のグラフィックボードは重くて長い
最近のグラフィックボードは重いです。
どれくらい重いかといえば、
GPU | 重量 | 全長 | 搭載ファン数 |
RTX4090 | 2413g | 336mm | 3 |
RTX4080 | 2364g | 336mm | 3 |
RTX4070Ti | 2019g | 338mm | 3 |
RTX4070 | 1214g | 338mm | 3 |
RTX4060Ti | 1167g | 338mm | 3 |
RTX4060 | 627g | 247mm | 2 |
RTX3090Ti | 1683g | 325mm | 3 |
RTX3090 | 1895g | 336mm | 3 |
RTX3080Ti | 1379g | 305mm | 3 |
RTX3080 | 1537g | 323mm | 3 |
RTX3070Ti | 1768g | 335mm | 3 |
RTX3070 | 1735g | 335mm | 3 |
RTX3060Ti | 1452g | 323mm | 3 |
RTX3060 | 996g | 276mm | 2 |
RTX3050 | 661g | 235mm | 2 |
GTX1660SUPER | 862g | 247mm | 2 |
ザックリとGPU別グラフィックボードの重さ一覧
こんな感じで物によっては2kgを超えますし、3連ファンモデルは1kg300mmを超える物が多いです。
搭載GPUの性能どうこうで重量と長さが決まるというよりは、グラフィックボードのシリーズによる基盤やヒートシンクの設計が影響します。
もっとも、同世代内での性能が高い程発熱が多く冷却性能が必要な為、基盤やヒートシンクが巨大になりがちという理屈ではありますが、その限りではないという事が言いたいのです。
2kg超えたらもはやダンベルです。
冬場は暖房器具にもなる高級ダンベルです。
理由②グラフィックボードが長くて重い程挿し込み口に負荷がかかる
一般的にマザーボードは地面に対して垂直にケースに組み付けます。
グラフィックボードはマザーボードに対して垂直に挿し込み口(PCIe x16スロット)に挿して使います。
マザーボードは薄く、PCIe x16スロットは細長い上に浅く、グラフィックボードの全幅の14分の1(10mm)くらいしか挿し込めません。
つまり、
- 厚さ1.8mmの板の、
- 高さ10mm幅85mmの細長いスロットに、
- 全幅約140mmの重さ2kgのボードを、
- 10mmだけ挿して、
- 直立させる
という事です。
実際はケースの拡張スロット側も固定しますが、PCIe x16スロットの幅と位置は規格によって決まっていますので、グラフィックボードが長ければ長いほど自由端までの距離が長くなり、支点にかかる負荷は大きくなるのでPCIスロットへの負荷も大きくなります。
指先に2kgのダンベルを載せて腕を真横に伸ばしたら肘や肩がもげそうになるのと一緒です。
要は、マザーボードのグラボ挿し込み口にめっちゃ負荷がかかるわけです。
曲がるならPCIe x16スロットじゃなくてマザボごと曲がってくれと思うかもですが、マザーボードはネジ9個くらいでケースとガッチリ繋がっているので剛性が高いのです。
なのでPCIe x16スロットが餌食になります。
理由③挿し込み口に負荷がかかり続けるとマザーボードが壊れる
ケースの水平を出して
水平線とたわみの線を入れた写真
で、パソコンというのは一回組みあがったらパーツの換装とかしない限りずっと垂直に立ってます。
- バケツを持って廊下に立ってろ。
- ただし腕を横に広げて3年間な。
みたいな感じです。
腕もげちゃうじゃないですか?
マザボ上のPCIe x16スロットも同じでもげちゃうんです。
嘘みたいな話ですがマジでもげちゃったり曲がっちゃう事があります。
もげちゃうっていう事は、マザボが壊れちゃうっていう事で、復旧に時間とお金がかかってルールールー…なんですね。
理由④マザーボードを壊したくないからサポートは必要
そんな一見修行にも思える負荷をマザボさんに課すわけにはいかないわけです。
人は修行で強くなったりしますが、マザボは負荷で破損するだけです。
つまり、
- マザーボードの破損を防ぐ為にもグラフィックボードサポートステーは必要
- グラフィックボードが長くて重い程必須
です。
サポートステーが必要になるグラフィックボードの目安は?
ザックリと目安ですが、
- 3連ファン
- 重量1kg以上
どちらかの条件を満たしたグラフィックボードを使う場合はサポートステーを使った方が良いかと思います。
3連ファンのグラフィックボード
これはパッと見て判断できると思いますが、ファンが3つついているグラフィックボードはおのずと長くなります。
長くなるほど、スロット等の支点から遠くなるほどたわみやすく、たわむほどPCIスロットにかかる負荷が増えるといえます。
なので、3連ファンのグラフィックボードを使ってる場合は無条件でサポートステーを使った方が良いと思います。
重量1kg以上
グラフィックボードは重量が公開されていない事が多く、重量が公開されていればラッキーなレベルです。
なので、こればっかりは使用するグラフィックボードの重量を測るほかありません。
もっとも、1連や2連ファンで1kg以上のグラボというのも中々無いと思うので、目安としてみてもらえればと思います。
グラフィックボードサポートステーの入手先
- グラフィックボード購入時に付属している
- ケースにグラフィックボードサポート機能が付いている
- 社外品を購入する
- 部屋にある物で代用する
グラフィックボード購入時に付属
ハイエンドの重量級グラフィックボードには、購入時にサポートステーが付属している事が多いです。
付属の物でも充分に機能を果たしてくれますし、グラフィックボードの見た目に沿ったデザインのものが付属している事が多いです。
しかしながら、ケースのアクセサリー拡張スロットに共締めするタイプ等、見た目は良いけど使いにくい物が付属する場合もあります。
使いにくかったり付属してなかった場合は、次を参考にしてみてください。
ケースにグラフィックボードサポート機能が付いている
昨今グラフィックボードが大きく重くなってきたので、一部のPCケースにはグラフィックボードサポート機能が搭載されていたり、ケースの付属品としてグラフィックボードサポートステーがついてくる事もあります。
PCパーツの進化と共に、企業努力でPCケースにも色々な工夫が施されるようにりました。
ケース付属のサポート機能は見た目には目立たない物が多く、PCをあまり派手にしたくない人やパーツのデザインを楽しみたい人向けの物が多い様に思います。(ぎらついている物もありますが。)
ケースを選ぶ際に一考してみるのも良いと思いますが、色々な機能のついたケースは高価になりがちです。
気に入ったケースが無かったり付属しない場合は、次を参考にしてみてください。
社外品のグラフィックボードサポートステーを購入する
グラフィックボードサポートステーは社外品が多くあります。
社外品の良い所は、自分の用途を満たした物や自分の気に入ったデザインの物を選択できる所にあります。
製品名としては、
- グラフィックボードサポートステー
- VGAサポーター
等々、色々な呼び方があるのでAmazon等で検索してみると好みの物が見つかるかと思います。
部屋にある物で代用する
ドルチェ&ガッバーナの香水のビンがグラボを思い出させる
(ピッタリでした)
たかがグラボを支えるだけなのにお金使う必要ある?という方向け。
要はケース下部からグラボまでの距離を埋められればいいだけなのです。
なので、
- この付箋の束が丁度はまる
- このフィギュアの高さが丁度いい
- プラダンを丁度いい感じに切って作る
なんていう方法もあっていいです。
マウスパッドを段ボールや雑誌で代用するのと同じように、サポートステーも代用出来ます。
ただし気を付ける点として、
- 重量に耐えられる
- 安定感がある
- グラボに傷が付かない素材
- 非導電性の素材
この4点は意識してもらえればと思います。
サポートステーの形状2種類と各種の特長
グラフィックボードサポートステーの形状には大きく分けて
- 共締め型
- スタンド型
の2種類が存在します。
以下では各種の特徴とオススメの用途をシンプルにまとめていきます。
共締め型:ケースを選ばずガッチリ止まる
アクセサリー拡張スロットにグラフィックボードと共に共締めするタイプです。
寸法の選定や取り付けは面倒なものの、ほぼ全てのケースに取り付ける事が出来てガッチリ固定出来ます。
ただし、一度取り付けると外すのがめんどくさいです。
特に下段のPCIeスロットにM.2アダプターやWiFiカード等の別アクセサリーを付けている人はめちゃめんどくさいです。
なので、ケース下部が配線やファンで埋まっていて後述するスタンド型が取り付けられなかったり、一度取り付けたらサイドパネルをほとんど開けない人に向いています。
私はあまりいじる事のないメインPCにはガッチリ固定出来るこのタイプを使っています。
スタンド型:汎用性が高い
スタンド型はマグネット式、置くだけ式、ネジ止め式の物があり、高さを比較的自由に調整出来ます。
スタンドなのでケース下部に立てて下からグラボを支える感じです。
ケース下部に設置スペースがあればという条件付きではありますが、グラボの正面を支えるかサイドを支えるか自由に設置場所が選べますので、汎用性の高いサポートステーと言えるでしょう。
また、社外品もこのタイプが多いためデザイン的にも自由度が高く、落ち着いた見た目から光る物まで色々あります。
気を付ける点としては、マグネット式の物はHDDの位置やファンに近づきすぎないように設置しましょう。
私は頻繁にパーツを入れ替える検証用のオープンフレームは移動しやすいこのタイプを使っています。
サポートステーを使わずマザーボードも傷つけない方法
- ライザーカードを使ってグラボを縦置きする
- マザーボードを90°回転できるケースを使う
ライザーカードを使う
ライザーカードとは、PCIe x16スロットを延長させるためのPCパーツの事で、めっちゃ幅の広いきし麺みたいな見た目をしています。
めっちゃ幅の広いケーブルなのでライザーケーブルと呼ばれる事もあります。
ライザーカードを使うとグラフィックボードとマザーボードを直接つなぐ必要が無くなり、グラフィックボードを任意の位置に設置出来るようになります。
つまり、マザーボードのPCIe x16スロットに負荷をかけずに重量級グラボを取り付けられます。
また、グラフィックボードを縦置きする事でボードフェイスが見えるようになる為、昨今の綺麗なLEDを魅せたいという人にとってはかなりオススメな方法です。
デメリットとしては、
- 信頼性の高いライザーカードは高価
- 信頼性の低い物は動作面で当たり外れがある
- PCIeのバージョン等、選択時に多少知識が必要
といった感じです。
信頼性の低い物は最初から使えなかったりします。
良いライザーカードは6000円~1万円弱しますが、VGAサポートステーは1000円弱からありますからね。
マザーボードを90°回転できるケースを使う
マザーボードの設置角度を90°回転させる事は、PCIe x16スロットの長辺側に負荷がかからない事を意味し、結果としてマザボが守られます。
これが出来るケースは煙突効果により効率的なエアフローを確保する事で冷却性も高く、爆熱PCパーツが多い昨今ならではの構造で、かなり良い事ずくめだったりします。
デメリットとしては、
- 対応するケースが非常に少なく高価な物が多い
- 組み上げる難易度が若干上がる
- 選択難易度も若干上がる
といった感じです。
まとめ
グラフィックボードのサポートは、
- グラフィックボードが長くて重い程必要
- 3連ファングラボはまずつけた方が良い
- 付けないと最悪マザボが壊れる
- 支えられれば何でもいいから好きなやつをつけたらええ
です。
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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