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4TBのHDDやSSDを繋いでも3.63TBしか認識しない理由 不具合ではない

ゼロから学ぶPC基礎知識

4TBのストレージ買ったんだけどなんか少なくない!?

それ正常です、からくりを紹介します

 

 

皆様こんにちは、ペットボトル飲料の中身が年々減っている気がするがちゃこです。

 

HDDやSSDやメモリーカードを購入し、いざパソコンに取り付けて認識された容量を見た時に、

え、4TB買ったのになんか少なくない…?

と思った事はございますでしょうか?

 

実はこれ、

メーカーが容量を盛ってるとか、

フォーマットで容量が減るとか、

最初から壊れてる不具合とか、

そういう事じゃなくてちゃんと正常な値なんです。

 

というわけで今回の記事は、

『新しいストレージを取り付けたら少なく認識されるカラクリを解説』

と題しまして、

  • 前知識:普通の桁の基礎
  • ストレージが少なく認識される具体例
  • 4TBのストレージが3.63TBで認識される理由
  • 1TBはパソコン界では1024GBの事で1TiBの事
  • 具体例を紐解いて納得してもらう項
  • まとめ

という流れで紹介していきます。

 

結論としては、

HDDに4TBと書かれているのはSI単位系での4,000,000,000,000Byteであって、実際は3.63TBだから

です。

 

大丈夫です。私の頭は正常です。

順を追ってみていきましょう。

 

では、

レディゴッ!

 

前知識:一般的な桁『SI単位系』

4TBというのは、1TBが4個集まった数字です。

一般的に1TBは、

  • 1,000GBであり
  • 1,000,000MBであり
  • 1,000,000,000KBであり
  • 1,000,000,000,000Byteの事

1000倍毎に桁の単位が変わり、これをSI単位系(国際単位系)の表記と言います

 

しかし、

4TBのストレージを増設した時には3.63TBになってしまいます。

なんでだ?というのが今回の記事の主題になりますので、以下から順を追って紹介していきます。

 

 

ストレージが少なく認識される具体例

まずはどういう事かわかってもらう為に、具体例の画像を掲載します。

4TBのHDD→3.63TB認識

私の使っている4TBのHDDの容量は4,000,650,883,072バイトですが、

実際は3.63TBとして認識されています。

 

128GBのSDカード→119GB認識

私の使っている128GBのSDカードの容量は128,077,266,944バイトですが、

実際は119GBと表示されています。

 

 

4TBのストレージが3.63TBで認識される理由

  • パッケージはSI系(1000倍)表記
  • 実際に認識される数値はパソコン(1024倍)系の正確な数値
  • パッケージの4TBは1000倍で桁単位が変わるので4,000,000,000,000Byteの事
  • パソコンの世界では1024倍で桁単位が変わるので4,000,000,000,000Byteは3.63TB

 

分かりやすく言うと、

どっちも4,000,000,000,000Byteを表現してるけど、桁の切り替わる倍率が違うから認識時に差が生じる

という事になります。

 

順を追って紹介します。

 

 

1TBはパソコン界では1024GBの事

パソコン界の1TBは正確には1024の4乗バイト

上の項で1TBは1000GBですと言っておきながら、パソコンの容量の話になると1TBは1024の4乗バイト(1,099,511,627,776バイト)であり1024GBの事(正確には後述します)だったりします。

 

メモリ(RAM)の容量を想像してもらうとわかりやすいかもしれません。

メモリの容量が、2GB→4GB→8GB→16GB→32GB→64GB→128GBの様に2の乗数的に増えていくのを見た事がありますでしょうか?

このまま増えていくと2の10乗(1024倍)で1024GBとなりますが、『メモリ1024GB搭載』だとややこしいので『メモリ1TB搭載』と記載されます。

 

というわけでまずは、パソコンの世界では2の10乗(1024倍)毎に単位が変わります

 

つまり、

  • 1KB=1024バイト(2の10乗)
  • 1MB=1024KB=1,048,576バイト(2の20乗)
  • 1GB=1024MB=1,048,576KB=1,073,741,824バイト(2の30乗)
  • 1TB=1024GB=1,048,576MB=1,073,741,824KB=1,099,511,627,776バイト(2の40乗)

となっています。

 

 

『箱に書いてある1TB』は『SI系表記の1000GB』の事

 

HDDやSSD等のストレージ関係の箱では、10の乗数(10進数)で記載した方が数字が大きく見えるので1TB=1,000,000,000,000バイト計算で記載されている事がほとんどです。

  • SI単位系表記の1,000,000,000,000バイト:1,000,000,000KB=1,000,000MB=1,000GB=1TB
  • パソコン界隈の1,000,000,000,000バイト:976,562,500KB=953,674MB=931GB=0.90TB

 

 

パソコン界の救世主『〇iB』という桁単位

でもですよ、1TBが2種類あったらわけわかんないじゃないですか?

1TB=1024GB=1000GB

とかいう計算式成り立たないじゃないですか?

 

という事で生まれたパソコン容量専用の単位が〇iB(テビバイト)です

TiBはパソコン界の1024倍をあらわした桁単位で、1TiB=1024GiBで表現出来ます。

 

他のパソコン界専用の単位として『TiB』『GiB』『MiB』『KiB』という各桁に対応した単位が用意されてます。

  • 1TiB『テビバイト』:1,024GiB(1,099,511,627,776バイト)
  • 1GiB『ギビバイト』:1,024MiB(1,073,741,824バイト)
  • 1MiB『メビバイト』:1,024KiB(1,048,576バイト)
  • 1KiB『キビバイト』:1,024バイト

1024倍毎に桁を変えてくれるありがたい単位です。

 

本来の1KBである1000バイトと、一般的な1KB(1KiB)の1024バイトでは実際の数値との剥離は2%程度で誤差の範囲ですが、

1TB(1,000,000,000,000バイト)と1TiB(1,099,511,627,776バイト)の様に、桁が増えれば剥離が10%弱に増えますので、〇iBという単位での表記はかなり重要になってきます。

 

  • 1KB=1,000バイト
    1KiB=1,024バイト(差2.4%
  • 1MB=1,000,000バイト
    1MiB=1,048,576バイト(差4.8%
  • 1GB=1,000,000,000バイト
    1GiB=1,073,741,842バイト(差7.3%
  • 1TB=1,000,000,000,000バイト
    1TiB=1,099,511,627,776バイト(差9.9%

 

今後時代が進んでペタやエクサの時代になれば、

  • 1PiB=1,125,899,906,842,624バイト(差12.5%
  • 1EiB=1,152,921,504,606,846,976バイト(差15.2%

 

の様に、桁が変わるごとに差は広がっていきますし、実使用時の不満感も増えていくでしょう。

例えば箱に1ペタバイトと書かれているHDDを取り付けたら0.89ペタバイトしか認識しないみたいな話になります

101テラバイトの剥離は相当大きいです。

どこに行ってん?ってなります。

 

例えばHDDの箱に1TiBと書かれていたら、1,099,511,627,776バイト使えるHDDという事になり、パソコンに挿した際も1TBとして認識され騙された感が無くなります。

 

ただ、現状としては1TiBという書き方はほとんど浸透しておらず、おかたい話をする時以外ではあまり使われません。

つまり、人間用の10進数の単位で商品を売った方が結局分かりやすいし嘘は付いていないという話で、パソコン用の〇iB単位は厳密な話をする時に使えばいいんじゃない?という感じになってます。

 

早い話が、

1TB=1000GB

1TiB=1024GiB

と正確な表記をするのが正しいのです。

 

もっと言えば、

パソコンパーツを売るならパソコン界の単位で売って欲しいのです。

『初心者にオススメの外付けHDD 大容量4TBモデル!』

ではなく

『初心者にオススメの外付けHDD 大容量3.63TBモデル!』

とか

『初心者にオススメの外付けHDD 大容量4,000,000,000,000バイトモデル!』

とか

『初心者にオススメの外付けHDD 大容量4TiBモデル!』

とかパソコン界として正確な数値を記載して売って欲しいのです。

 

もちろん4TB表記でも間違った事は言ってないですよ?

SI系では正しいんですから。

4,000,000,000,000ByteはSI系では4TBなんですから。

でも、納得いかないよね?わかるー!

 

 

 

具体例を紐解いていく

さて、

以上の知識を付けてもらったところで、

以下からは冒頭で紹介した具体例を紐解いていき、

「わぁ計算してみたらほんとに正しいけど納得いかないや」

と思ってもらうための項になります。

 

4TBのHDD

私の使っている4TBのHDDは4,000,650,883,072バイトですが、実際は3.63TBと表示されています。

4TBのHDDを買ったのに実際は3.63TBしかない!370GBも少ない!だまされた!

というわけではなく、どちらの数字も正しいのです。

 

では4,000,650,883,072バイトをTB(テラバイト)に変換してみます。

 

4,000,650,883,072÷1024(K)÷1024(M)÷1024(G)÷1024(T)=3.63857…

となり、

4TB(SI系)=3.63TB(パソコン系)

となり、

実際には3.63TBまでしか保存できない計算になります。

 

 

128GBのSDカード

私の使っている128GBのSDカードは128,077,266,944バイトですが、実際は119GBと表示されています。

では128,077,266,944バイトをGB(ギガバイト)に変換してみます。

 

128,077,266,944÷1024(K)÷1024(M)÷1024(G)=119.281…

となり、

128GB(SI系)=119GB(パソコン系)

となります。

 

まとめ

  • 箱に書いてある4TBも認識される3.63TBも4,000,000,000,000バイトを表現している
  • 箱の4TBはSI単位系表記での4,000,000,000,000バイト
  • 認識される3.63TBはパソコン界での4,000,000,000,000バイト
  • 数字のマジックでどちらの数字も正しいがわかりにくい
  • 電子機器において単位は誤解を生じやすいので、より正確な〇iB表記を取り入れて欲しい

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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