Wi-Fi専用のM.2スロットを使って
パソコンを無線に対応させたい!
という方に向けて手順を紹介します。
昨今のマザーボードは無線対応の物も多くありますが、まだまだ無線対応していないものも多いです。
そんな有線パソコンを無線化する方法は3つほどあります。
各方法でメリットデメリットはありますが、
M.2での無線化は汎用コネクタを消費せずスッキリするのでオススメの方法です。
というわけで今回の記事では、
『やったら出来る!M.2の無線カードを使ってパソコンを無線化する方法と手順』
と題しまして、予備知識含めてシンプルかつめっちゃ詳しく紹介していきます。
外して付けて戻すだけのシンプルな作業ですので、一緒に頑張っていきましょう。
では、
レディゴッ!
目次
用意する物
M.2接続Wi-Fi&Bluetoothアダプターキット
【Intel DESKTOP WIRELESS M.2 2230 KIT Wi-Fi6 AX200 GIG+】
今回の主役で、数千円のこのキットをパソコンに取り付けパソコンを無線化します。
メーカー | Intel |
製品名 | Intel DESKTOP WIRELESS |
Wi-Fi | 6 |
Bluetooth | 5.0 |
接続方法 | M.2:Wi-Fi(PCIe),BT(USB) |
このキットの特徴としては、Intel製チップセット以外の色んなパソコンで使えるAX210なので汎用性が高いと考えチョイスしました。
同じIntel製の無線カードでもAX211等の末尾が『1』のシリーズで採用されている統合型のCNVio2は、末尾『0』シリーズと比較して安い事が多いですがIntel製の特定のチップセットでしか使えないなどの使用条件が厳しい為、このCPUでは使えてあのCPUでは使えまへんってなるのが嫌だったので選びませんでした。(検証機で使う用ですし。)
要は、選ぶ際は末尾『1』の無線カードは制約がややこしいから注意が必要という事が言いたいのです。
さて、
本キットの付属品は、
- M.2無線カード本体x1個
- アンテナケーブル(RFケーブル)x2本
- アンテナx2本
- 120mmスロット用ブラケットx1
- 80mmスロット用ブラケットx1
です。
ブラケットとは、アクセサリーソケットにアンテナケーブルを取り付ける用の金具の事になります。
付属のブラケットは2種類あり、
- 長い120mmの方をスタンダードプロファイル(フルサイズ)用ブラケット、
- 短い80mmの方をロープロファイル用ブラケット
と呼びます。
ロープロファイル用ブラケットはスリムタイプのケース等の小型ケース用についているロープロファイル用拡張スロットに取り付ける場合に使います。
主流はフルサイズで、ほとんどのATXケースはこちらを使用する為、こちらに最初からアンテナが取り付いた状態で箱に入っています。
本体のM.2カードは別名として、無線カードとかWi-Fi&Bluetoothアダプターとも呼ばれますが、この記事では無線カードと記載します。
また、アンテナケーブルとアンテナが名称的にややこしいので、アンテナケーブルの事はRFケーブルと記載します。
↑今回使った物
Intel以外からもより上位のWi-Fi6E・BT5.3に対応したキットが安く販売されたりもしてますが、レビューや仕様をよく確認してから購入する様にしましょう。
M.2カード固定用ネジ
多くの場合、マザーボードに搭載されているM.2スロットの数だけ付属していますが、無い場合は別途購入する必要があります。
プラスドライバー
ソケットの取り外しや無線カードの固定に使用します。
スパナorラジオペンチ
RFケーブルをIOパネル用バックプレートやロープロファイル用ブラケットに固定する場合は必要になります。
元々RFケーブルがついている通常サイズ用ブラケットを使用する場合は不要。
M.2無線カード取り付け位置確認
無線カード取付位置
マザーボード上のWi-Fi用M.2WiFiカードスロットに取り付けます。
RFケーブル固定位置(拡張スロットを使う場合)
ケース後方の拡張スロットにブラケットと共に固定します。
RFケーブル固定位置(IOパネルバックプレートを使う場合)
IOパネル用バックプレートの穴がついている場合そこに固定します。
アンテナ取り付け位置
取り付けたRFケーブルの先端にクルクル回して取り付けます。
M.2接続で無線化する手順
前置きが長くなりましたが、ようやく本題です。
まず全体の流れを紹介した後に、画像多めで詳細手順を紹介していきます。
ザックリ手順
作業全体の流れとしては、
- パソコンの電源を落として電源ケーブルを抜く
- PCのサイドパネルを開ける
- 取り付けに邪魔なパーツを外す
- 無線カードを挿す
- RFケーブルを固定しアンテナを取り付ける
- 元に戻す
- 動作確認
の7ステップで完了です。
一見複雑そうに見えるかもですが、外して取り付けて戻すだけの非常にシンプルな作業ですので安心してください。
準備が多少めんどくさいくらいで、やる事自体はお肉にかける塩コショウよりも簡単です。
詳細手順
1.パソコンの電源を落として電源ケーブルを抜く
パソコンをいじる際は電源を落として主電源ケーブルを抜いてから作業を行いましょう。
これ絶対。
2.作業しやすい所にパソコンを移動させる
作業性が悪いとパーツを取り付けにくく、他のパーツに手をぶつける等の無駄なリスクが発生する為、作業のしやすい位置にパソコンを移動させましょう。
部屋が散らかってると一番めんどくさい工程です。
3.PCケースのサイドパネルを開ける
PCケースのサイドパネルを開けます。
開け方はケースによって色々ありますが、基本的にはサイドパネルを止めているネジを外してスライドさせればズルバコッと外れます。
※今回はオープンフレームを使用しますのでサイドパネルを外す工程はありませんが、参考までにサイドパネルを外す方法の画像を貼ってあります。
4.無線カードとアンテナの取り付け位置を確認
無線カードの取り付け位置は、マザーボード上のWi-Fiと書かれた無線化専用のM.2スロットを使用します。
あと、RFケーブル(=アンテナの挿し込み口)を取り付ける位置の選択も必要です。
RFケーブルを取り付ける位置は
- 拡張スロット
- マザーボードのIOパネル
の2種類あり、お好きな方を選択する形になります。
オススメとしてはアクセサリーソケットを消費せずに済むIOパネル側への固定です。
ただ、IOパネルにアンテナ用の穴が空いている必要がありますので、穴が無い場合は拡張スロットに取り付けていきましょう。
5.取り付けに邪魔なパーツを外す
無線カードの取り付けにはグラフィックボードが邪魔になる事が多いので外しましょう。
グラフィックボードの外し方は、
- 補助電源ケーブルを抜く
- アクセサリースロットの固定ネジを外す
- PCIeスロットのロックを押しながらグラボを引っ張る
です。
参考までに過去に作った画像を貼っておきます。
グラフィックボードやCPUクーラーのサイズによってはロックが押しにくい位置にありますが、頑張って押しましょう。
専用M.2スロットにWi-Fi&Bluetoothカードを挿してネジ止め
奥までしっかり挿しM.2固定用のネジで固定しましょう。
M.2固定ネジはマザーボードに付属していますが、無い場合は購入する必要があります。
挿し込む際にRFケーブルがカードから取れちゃうことがありますが、故障ではなくそういうものなので安心してください。
もし取れちゃった場合は位置を合わせ、力を入れすぎて変形させない様に注意しながらクッと押せばポコッとハマります。
6.ブラケット使用の場合:スロットカバーを取り外しブラケット取り付け
ブラケットを取り付ける為にケースのスロットカバーを取り外し拡張スロットを解放させます。
スロットカバーの取り外し方はケースによって
- ネジを外して取り外すタイプ
- ネジ切るタイプ
の2種類があります。
ネジ切るタイプは一度外したら元に戻せないので外す位置を間違えない様にしましょう。
私は電波を受信しやすい様に一番上のスロットに取り付けるので一番上のカバーを取り外します。
無線カードに必要なスロット数は1段ですので、1段分のスロットを解放させてやりましょう。
解放させたスロットにブラケットをネジ止めしていきます。
ここまで終わったらグラフィックボードは戻してもらってもOKです。
後から戻してもOKです。
6.バックプレート取り付けの場合:ブラケットからバックプレートにRFケーブル付け替え
IOパネル用のバックプレートには無線化を想定して穴が隠れている事があります。
その穴を解放させてRFケーブルを固定する事でアクセサリースロットを消費せずに無線化できるます。
手順は増えてしまいますが、可能であればこちらの方が見た目的・機能的にオススメです。
ただ増える手順として、マザーボードによっては一度マザーボードを外さないとヒートシンクが邪魔で作業出来ないかもしれませんので、めんどくさいのはかなわん場合は素直にブラケットでOKです。性能的には同じなので。
まず、ブラケットにナットで固定されているRFケーブルをスパナやラジオペンチ等で外します。
次に、IOパネル用バックプレートの穴を爪などで引っ掛けて開けてやります。
最後に、外したRFケーブルをバックプレートに固定したらOKです。
7.アンテナを固定する
思い思いの方法でRFケーブルが固定出来たと思いますので、付属のアンテナをクルクル回して取り付けましょう。
注意点としては、アンテナの根元を持って回しましょう。
アンテナの先端を持って回すと普通に折れます。
ブレードのような形状をしているので持ちたくなるのはわかりますが、普通に折れます。
ちゃんと根本を持ってクルクル回しましょう。
8.外した物などを元に戻す
外したグラボを再度取り付け、
サイドパネルを閉め、
元の位置に戻し、
ケーブル類を元通り挿したら
作業自体は全て終了です。
9.電源を付けて動作確認
電源スイッチをONにして電源を付けWindowsを起動させます。
Windowsが起動しない場合は、
- 電源ケーブルの確認
- モニター電源の確認
- モニターケーブルの確認
- メモリの浮きの確認
- グラフィックボードの浮きの確認
等をしてみてください。
Windowsが起動したら動作確認を行います。
私の環境ではプラグアンドプレイ(USB機器みたいに接続するだけで使える機器の事)で動作したので、別途ドライバのインストールは必要ありませんでした。
もし動作しない場合は付属の取説に書いてあるドライバーをインストールしてみてください。
動作確認の方法は、
- Windowsの『設定』→『デバイス』からBluetooth機器をペアリングしてみて認識するか確認
- 有線のLANケーブルを抜き、Wi-Fiのパスワードを入力してインターネットに接続できるか確認
- その状態で回線速度のチェック
の3つを行ないましょう。
10.完了
お疲れさまでした!
今回使用した物
マザーボード
【ASRock Z690ProRS】
PCケース
【長尾製作所 オープンフレームE-ATX】
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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